ストーリーガイド
はじめに
- ベルセルク原作のあらすじ&用語解説です。
- この記事には一部原作のネタバレが含まれているので注意
章毎のあらすじ
黒い剣士
- ベルセルクの序章。
- 妖精パックとの出会い、首領・伯爵などの使徒との戦いが描かれる。
- 黄金時代篇が終わった直後の物語となっており、本来のガッツが持つ性質と比べ荒れた部分が目立つ。
- 黒い剣士という通り名で知られるようになった主人公ガッツは、各地で使徒を葬って回っていた。
- ある日、使徒の配下と接触すべく立ち寄った酒場で妖精のパックと出会う。
- お調子者で好奇心旺盛、なおかつ他人を想う優しい心を持ったパックは何者をも受け入れまいとしていたガッツの心を徐々に氷解させ、
新たな旅の最初の仲間として同行することになる。
▼用語解説
- ※妖精とは
ピーターパンに登場するティンカーベルのような存在。
羽から出る鱗粉には高い治癒効果がある。
相手の精神に呼応する能力を持っており、強いマイナスの感情には痛みが伴う。 - ※使徒とは
ベヘリットを触媒として召喚されたゴッドハンドが、「降魔の儀」を行うことによって人間を転生させたもの。
使徒になる際は自らが最も大切にしている者を贄として捧げなければならず、選ばれた者は体のどこかに烙印が刻まれる。
人間の形態を取っている時でも人間を遥かに凌駕する力を持っているが、魔を宿した真の姿へと転じた時の力は凄まじく常人が束になってかかった所で敵うものではない。
再生能力が非常に高いという特徴から、荒みきっていたガッツの憂さ晴らしに付き合わせされることもあった。 - ※ベヘリットとは
奇妙な位置に人の顔面のパーツが配置された卵型の物体で、複数の存在が確認されている。
単なる装飾品ではなくそれ自体が生命を宿しており、妖精のパックが大事にしている個体は冷や汗を流したりと中々に愛らしい。
因果律によって選ばれた者の強く焦がれる思いと、その者の血液によって「降魔の儀」を発動させるキーになる。 - ※ゴッドハンドとは
216年に一度現れる真紅のベヘリットにより、選ばれた者が人間から転生した存在。
普段は幽世に散っているが、「降魔の儀」などがあれば一堂に会し儀式を行う。
使徒を統べる能力を持ち数々の力はもはや災害クラスのものばかりだが、彼らですら幽世の深淵に潜む「何か」の意思を体現する者に過ぎない。 - ※生贄の烙印とは
使徒やゴッドハンドとなるものが儀式の贄として捧げた者に刻まれる生贄の証。
夜になると魔を引き寄せるため、例え儀式を生き延びたとしても毎夜襲い来る魔と戦わなくてはならなくなる。
その魔の強さによっては出血を伴った激しい痛みが全身を襲う。
黄金時代篇
- ガッツの生い立ち、鷹の団との出会い、《蝕》、復讐の旅立ち(ここから黒い剣士に繋がる)までが描かれる。
- ミッドランド王国とチューダー帝国が、フランスの100年戦争宜しく長きに渡り争う乱世が舞台。
- 死んだ母親から産み落とされたガッツは、通りがかった傭兵団のボス格であるガンビーノの精神を病んだ情婦に拾われた。
- いつか自分もガンビーノと共に戦場を駆けることを夢見て日々の鍛錬に励むガッツは、ある夜ガンビーノから銀貨三枚でガッツを買ったという傭兵団の男に性的な虐待を受ける。
- 自分を辱めた男は戦場のどさくさに紛れて葬ったものの、これが元でガッツは他人に触られることを極端に嫌うようになる。
- 戦で戦傷を負ったガンビーノはガッツに養われることになるが、現状に対しての鬱憤が爆発。
- 自分のツキはガッツを拾ったせいだという八つ当たりから、ガッツに対して一人夜襲を仕掛ける。
- 夜襲を受けたガッツは混乱から無意識に剣を振るいガンビーノを殺してしまう。
- 傭兵団を追われたガッツは一人、誰と組むこともなく傭兵として戦場を渡り歩くことになった。
- とある攻城戦で戦いぶりから傭兵団“鷹の団”の下っ端に因縁をつけられ襲撃を受けるもこれを一掃。
- その姿が団長グリフィスの目に留まり「ガッツが負ければグリフィスのものとなり鷹の団へと加わる」「グリフィスが負ければガッツから手を引く」という条件で一騎打ちを持ちかけられる。
- 子供ながら「30人斬りのバズーソ」という戦場に名を馳せた騎士ですら易々と打ち取るガッツだが、同年代のグリフィスはガッツを圧倒。敗れたガッツは“鷹の団”に入団することになる。
- 男所帯の紅一点、千人長を任される少女キャスカはガッツに対してキツくあたるが、これはキャスカがグリフィスに対して強い憧憬を抱いており、そんなグリフィスが他人を欲しがることなどこれまでになく、それが自分ではなかったことからガッツに対して嫉妬心と対抗心を燃やした結果であった。
- 群れることを嫌うガッツだったが、圧倒的なカリスマを持つグリフィスと同世代で気の置けない面々で構成された“鷹の団”は居心地が良く、“鷹の団”を自分の居場所とし多くの仲間と行動をともにする。
- 切り込み隊長となったガッツの働きと神がかったグリフィス知略により、“鷹の団”は武功を重ねいつしか「戦場の死神」と呼ばれ恐れられるようになる。
- その武勲はミッドランド国王の目に留まり、国王はグリフィスを重用するようになる。
- 当然周りの貴族連中はこのことを快く思うはずもなく、権謀術数を張り巡らせグリフィスを失脚させようと画策するも、グリフィスに難なく見抜かれ纏めて葬られてしまう。
- ミッドランドの正規軍になった“鷹の団”はある戦いで、百年単位で戦場を渡り歩く不死者と噂される伝説の傭兵「ゾッド」と対峙。
- 多くの仲間が紙の如く引き裂かれる中、ガッツとグリフィスのコンビで挑みなんとかゾッドに手傷を負わせる。久々の強敵に会えた喜びで気が高ぶったゾッドは真の姿である、黒い獅子の貌に二本の雄牛の角を生やした悪魔のような巨大な使徒形態へと変身。
- 絶望的な力の差は覆しようもなく、ガッツとグリフィスは死の縁まで追い詰められるも、グリフィスがペンダント代わりに身に着けていた“真紅のベヘリット”を見たゾッドは一人得心がいった様子で、ガッツに対し不吉な予言を残しその場を去る。
- その後も常勝を続ける鷹の団は、チューダー帝国が誇る難攻不落のドルドレイ要塞に文字通りの背水の陣を敷き、キャスカ率いる別働隊を用いて直接要塞を落とす戦略により、圧倒的な人数差をものともせずにこれを陥落させる。
- この勝利によりチューダー帝国との戦争は集結。街の人々に英雄と呼ばれるようになった鷹の団だが、以前ミッドランドの王女に対してグリフィスが語った友と呼べる者の条件を意図せず聞いてしまったガッツは、これを機にグリフィスと対等の存在になるべく鷹の団を後にする事を決意。
- 此度の戦争で肌を重ねるほど深い関係となったキャスカや“鷹の団”の初期メンバーと別れを告げる間際、ガッツは自分のものと言ってはばからないグリフィスが現れ再度決闘を提案。
- 自分のものにならないのならいっその事ガッツの命を奪ってでも止めるという覚悟で挑んだグリフィスだが、戦場で常に切り込み隊長として先陣を切ってきたガッツには敵わず、ガッツはそのまま鷹の団を去っていく。
- 自分でも「なぜそこまでガッツに固執するのか分からない」とガッツに対し並々ならぬ思いを抱いていたグリフィスは、ガッツが自分のものではなくなった失意を埋めるかのごとく、ミッドランドの王女と密通する。
- 王女との情事を目撃した侍女の密告により激怒した国王はグリフィスを投獄。鷹の団は一夜にして英雄から反逆者として追われる身となった。
- 一年の後。諸国で武芸を磨く旅をしていたため“鷹の団”の現状を知らないガッツであったが、“鷹の団”の危機を聞き、駆けつけて窮地を救う。
- 王女の協力の下、囚われているグリフィスの救出に打って出るが時既に遅く、サディストの拷問官によりグリフィスは彼をよく知るものですら見分けがつかないほどの傷を負い、自力では指の一本すらまともに動かすことのできない体へとされていた。
- まともな思考ができないほどに憔悴しきっていたグリフィスは、ミッドランドからの追手によりあわやというところで、対等の関係でありたいと心の何処かで望んでいたガッツから差し出された救いの手に対して精神を崩壊させ、真紅のベヘリッドを媒介に《蝕》を発動させる。
- その場にいた“鷹の団”を生贄とすることで発動した《蝕》に集まった使徒の群れにより、団員は次々と生きながらに喰われ引き裂かれていく。《蝕》の発動はグリフィスが望んだことではあるが、ゴッドハンドの一人が唆したことも一因となっている。
- 転生を終えたグリフィスはゴッドハンドの一人「フェムト」となりキャスカの貞操を無理やり奪う。
これが元で、キャスカは精神を病み幼児退行してしまう。 - 生き残っていたガッツも左腕と右目を失い、半死半生の状態だったが突如《蝕》に現れた骸骨の騎士にキャスカ共々命を救われる。
- 家族同然だった“鷹の団”を虐殺した使徒、その原因となったグリフィスへの復讐を誓い、ガッツは単身旅に出る。
断罪篇
- フェムトにより廃人同然となってしまったキャスカを、古い知人でありガッツの装備一式を揃えてくれたゴドーに預け旅に出てから数年が経ったある日、ジルという少女を盗賊から救う。
- 激戦に次ぐ激戦により万全とは程遠い状態のガッツだが、ジルの住む村に現れた使徒を「霧の谷」で討伐する。
- ガッツが村を出立しようとしていると、黙示録に描かれた凶兆である“闇の鷹”を探していた「聖鉄鎖騎士団」に見つかり、ガッツが闇の鷹であるとみなされ、団長であるファルネーゼらに包囲され捕えられてしまう。
- 聖鉄鎖騎士団のキャンプに連行されたガッツは隙きを突いてファルネーゼを人質に脱出するも、その途中で魔に襲われる。
- 初めて目の当たりにする魔とガッツの壮絶な戦いに恐怖したファルネーゼは神への祈りの言葉すら失くしてしまう。
- 長い夜が終わり魔が現れなくなると、ファルネーゼを追って駆けつけた従者のセルピコとともに聖鉄鎖騎士団へと戻ったファルネーゼだが、心にはしこりが残ったままとなった。
- ある事からキャスカの危機を感じてゴドーの元に戻ったガッツだが、キャスカが1月も前に姿を消していたことを知る。
- ガッツは予言によりキャスカが捕らえられているとされる“断罪の塔”に向かう。
千年帝国の鷹篇
- 断罪の塔でフェムトが受肉し、グリフィスとして再びこの世の存在となる。
- 断罪の塔よりキャスカを救い出し、一旦ゴドーが住処としていた鉱洞に戻った一行はグリフィスと出会う。
- 怒りに任せ剣を振るうガッツをよそに彼は再びガッツの前から姿を消した。
- 復讐を新たに誓うガッツだが、一先ずキャスカを安全な場所へと移すためパックの故郷であり魔のものを遠ざける妖精郷を目指す。
- 妖精郷への旅は熾烈を極め、やがてガッツはキャスカを守るという重みに挫けそうになる。
- そんなガッツを支えたのは聖鉄鎖騎士団を抜けて追ってきたファルネーゼ、セルピコ、道中で出会った剣士を目指すこそ泥少年イシドロたち新たな仲間であった。
- 旅の途中、グリフィスの受肉により現世と幽世が重なったことから幻想種であるトロールが出現。
- トロールの群れに足止めをくらうガッツ一行だが、霊樹の森で出会った魔女見習いのシールケの助力の下これを切り抜ける。
- そんな彼らの前に突如現れた一団は自らを鷹の団と名乗る使徒の軍団だった。
- シールケの師匠フローラより受け取った狂戦士の甲冑をまとい、新生鷹の団や、強大なクシャーン帝国との新たな戦いに身を投じていく。